CROCE season2

村の交流拠点をカフェとして民営化するプロジェクトです。周辺は豊かな山々に囲まれ、道中は特産である茶畑が広がる原風景を残したエリア。施設は約100坪あり、周辺環境や施設の歴史も含め何を生かし何を変えるかを熟考しました。まずは外観について、外壁は耐候性を優先しガルバリウム鋼板仕上げと、金属をモチーフにしたシックな外壁に、自然な暮らしを彷彿させる薪を対比させ印象的なファサードとしました。また、その外壁には鏡面仕上げロゴを配置し、ロゴとしての機能の上に周辺感環境が反射し見る角度によって変化を楽しめる仕上げとしました。竣工時の思いの詰まった丸太仕上げは塗装して生かすことにしました。内部は異なるコンセプトを持つ空間を緩やかに繋げ、豊かな自然と向き合い個性の違う居場所を作ることで、この土地の魅力を体験できるような空間を目指しました。大きく分けて3つの空間構成としました。1つ目はエントランスホールの煉瓦積みのパン窯にもぐりこんだようなトンネル空間が訪れた人々を迎え入れます。トンネル内にはパン売り場とカウンター席を設けました。カウンター席の前には緑豊かな風景を切り取る水平窓を配置しました。2つ目は天井高さを生かしたアウトドアな雰囲気を持つゆったりとしたソファー席空間です。3つ目は屋外のウッドデッキと一体となる半屋外のテーブル席です。村の自然とパンとベーグルの香りに包まれた、五感で楽しめる心安らぐ空間を目指しました。

竣工：2021.06
所在地：愛知県岡崎市
用途：（飲食店）カフェ
延べ面積：335.88㎡
施工：東匠建設㈱
写真：田岡信樹